ムーシールド・受け口(反対咬合)の臨床応用

令和元年5月26日

 
本日は、幼児期における反対咬合の治療器具である「ムーシールド」を開発した柳澤宗光先生のご講演に参加させていただきました。
柳澤先生が開発したムーシールドは、既製品として発売されてから15年が経過し、延べ10万個以上が売れています。
その開発の発想は非常に素晴らしく、幼少期においてムーシールドを装着することで将来の外科矯正を回避できる可能性が大いにあがることは日本中の患者さんにとってこの上ない幸福をもたらしたと言えるのではないでしょうか。
 
ムーシールドは3歳から使用できる痛みをまったく伴わない矯正治療法です。
3級症例(反対咬合)はおよそ4%台で発現すると考えられており、今後も多くの患者さんが顕在化してくるものと考えられます。
ムーシールドが開発されるまでは、基本的に幼少期は経過観察で、成長期が終わってから外科矯正というのが一般的な矯正治療の流れでした。しかし、幼少期の咬合異常は顎骨の成長に大きく影響を及ぼします。幼少期からムーシールドを装着することにより、顎の骨の成長をより健全なものにすることができます。
 
ムーシールドを使用することで、すべての反対咬合が解決するわけではありませんが、子供の負担をできるだけ小さくすることができるのであれば、それは術者として、家族として大きな喜びです。
ムーシールドを開発した柳澤先生に大きく敬意を払いつつ、今後の診療に役立てていこうと思います。